【読書感想】内田春菊さん著「キオミ」芥川賞候補作、性的描写多めで文章淡々としてて心に迫ってくる
上記で紹介した漫画と同じ著者。今回は漫画じゃなくて小説。
短編集で以下の7話が入っている。本のタイトルになってる「キオミ」は芥川賞候補作。
1.あたしの欲しいもの
2.勃たなかった男
3.シタダシレッテル
4.バージン
5.スローロリス螺旋
6.夜の足音
7.キオミ
1の「あたしの欲しいもの」がすごくおもしろかった。
男好きな女性が妻子ある男を好きになってチョメチョメしてという話。主人公の「あたし」が話し言葉を使ってまるで個人ブログのように書く形式で小説っぽくない。「キー」とか「やだーだっさーい! 恥ずかしー。やめてー。」とかを使ってる。
「あの人が好き。だけど寝るのはめんどくさい。」という文章ではじまる中年会社員女性の"正直な好き"を描いている性的描写たっぷりの作品。
人によってはもしかしてエロ本の役目を果たすかもしれない…というくらい性的表現がバリバリ書かれてる。ぼくの体の一部も少し変化してたかも。。。
性的描写を含めてところどころクスッっとしちゃう面白さがあって、すごいリアル感もあって、純粋な"好き"が感じられる。
これはおもしろい!
☆ ☆ ☆
7の「キオミ」は芥川賞候補作になるだけあって、抜群におもしろい。
主人公の妊婦と夫がそれぞれ浮気してる物語。こっちも性的描写は多い。暗い内容をすごく淡々と書いている。そのおかげですごくリアルに感じる。
ラスト4行は「どきっ」っていうか「はっ!」ていうか…なんというか表現しづらい。とにかく心に迫ってくる。でも文章は淡々を貫いてる。
読んでよかったと心底思える作品。
5以外は性的描写たっぷり。
女性のほうが男性のぼくより深く味わえるんだろうな〜
とりあえず…
今日は生きるつもり。
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