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【読書感想】伊坂幸太郎さん著「フィッシュストーリー」(短編集)

伊坂幸太郎さん著「フィッシュストーリー」

電子書籍Kindleだけある。

 

以下の4作品が入った短編集

 

1. 動物園のエンジン

2. サクリファイス

3. フィッシュストーリー

4. ポテチ

 

 

1.を読んで「まあまあおもしろいな」

2.を読んで「すごくおもしろいな!」

3.を読んで「なにこれ!めちゃくちゃおもしろい!」

4.を読んで「これもめちゃくちゃおもしろいじゃないか!」

 

って感じだった。要は"かなりおもしろかった"ってこと。 

分類としてはミステリーなんだろうけど、ミステリーに収まらない感じ。かといって純文学風かっていうと全然違うんだけど…

練られたストーリーもすごいんだけど、やっぱり登場人物の魅力がすごい。そしてときどきドキッとするような文章が出てくる。

 

2.「サクリファイス」より

「大変なのはいいんですよ。生きていくのが楽じゃないってことくらいは、わたしにも分かりますから。でもね、ちょっとは売れてくれないと」

「くれないと?」

「張り合いがないですよね」彼女は寂しい笑みを見せた。「お金よりもね、何かこう人生のうちで一度くらい、やったね、とか言ってやりたいじゃないですか」

 

これ、ドキッとした。そうなんだよな〜 「やったね」とか言うことってないんだよな〜

 

3.のフィッシュストーリーは、ロックバンドが題材に使われているので、ロックバンドを趣味でやっているぼくにとっては特におもしろかった。

 

3.「フィッシュストーリー」より 

演奏しながら俺は、落ち着け、と自分に言い聞かせる。いつになく、自分がのめり込みそうになっているのが分かった。ベースからうねり出てくる低音が、自分の周囲に渦を作り、その中に自分自身が飲み込まれていく。音は次から次へと弾かれ、渦は絶えない。その渦が心地良く、冷静さを失いそうになる。

 

その場にいるような感じがして、読んでて気持ちよかった。

  

最後に「ぼくに対するお説教?」と感じた箇所をご紹介。

 

3.「フィッシュストーリー」より 

「おまえは、理想の女を追っているんだろ? 夢を見てるんだ」先日、会った大学の同級生は、糾弾するかのように、私に言った。彼はすでに結婚をし、一男一女の子供もいる。小学校の教師をしていた。

「そういうわけじゃない。大学で深夜過ぎまで研究をしている助手は、なかなか女性に会う機会がないんだ」

「言い訳だよ、そんなものは。出会いなんてな、じっとしていて、あるわけがないんだ。誰だっていいんだよ。とにかく、明日、職場に行って、最初に会った独身女性に、プロポーズしてこい」酔った友人は無茶なことを言う。

 

耳が痛い…

 

 

どの作品も「このあとどう展開してくのよ」というワクワク感と登場人物の魅力(会話の魅力)がすごくて、とっても楽しい時間を過ごせた。特に3.の「フィッシュストーリー」は"つながり"がテーマで、その"つながってく感じ"がすごく気持ちよかった。

 

次は長編を読んでみるつもり。 

 

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とりあえず…

今日は生きるつもり。

 

 

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