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【読書感想】西加奈子さん著「円卓」凡人になりたくなかった小学生の頃がとってもなつかしい

西加奈子さん著「円卓」

 

思春期前の子どもの心情を、関西弁で鮮やかに描いた作品。

主人公は小学3年生の女の子。

 

他人の言動や行動を見てすぐ「凡人が!」と思っちゃう子。

わかるー

なつかしー

って感じ。

自分は凡人じゃないって子どもの頃は根拠なく思ってたことを思い出した。

今もその気持ちはゼロではないけど…(イタッ)

 

「私たちの言うことは全然聞かなかったのに、渦原の言うことだけは!」

そう言われたい。

「あれだけ凶暴であったのに、渦原が見つめるとどう、こんなに大人しく!」

そう言われたいのだ。

 

イタいほどよくわかる…

 

 

物語の後半では、主人公が大人の階段の一段目に足をかけた感じになる。

 

 あまり話さなくなったこっこは、その分、自分の体の中で、文字や思いがじくじくと発酵していくような、そして、外の暑さとあいまって、その発酵の速度が日に日に増しているような気がしていた。

 思いはたくさん、あふれるほど胸をつくのだが、それを言い表す言葉を見つけられなかった。というより、言葉を発する瞬間に、わずかな重力を感じるようになった。何か言いたいことがあっても、その重力のため、口が簡単に開かなくなったのである。重力から解放される場所にたどりつくまで言葉を探すのだが、大概は、それを探し当てる頃には、もう遅かった。

 

ぼくも子供の頃たしかに「言葉が出ない、見つからない」という時期があった。だからすごくなつかしい感じがする。だけど…

一方で今でもこの感じはある。思いを言葉に乗せるのって、大人になったからといってそんな簡単になるわけではないと思う。

 

 

子どもを描いたこの作品でも、西加奈子さんお得意の大人の世界の風刺がちょいちょい楽しめる。

 

 ジビキは三十一歳の男性教師であるが、結婚もせず、社会経験無くして教師になった人間に特有のだらしなさというか、何事に関してもデリカシーの無い雰囲気をたたえた人物であった。それはともすれば、大らかな、器の大きい人間に見えなくもないので、保護者や他の教師陣、ひいては児童からも、大変人気があった。

 

「デリカシーの無い」と「器の大きい」ってたしかに紙一重紙一重でどっちに入るかが重要なんだけどな。 

 

ラストは予想外の美しい展開。イイ!

ちょっと泣けて心地いい読後感。

 

 

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とりあえず…

今日は生きるつもり。

 

 

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