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【読書感想】原田マハさん著「翔ぶ少女」震災を舞台にしたウルウル全開で温かい物語

原田マハさん著「翔ぶ少女」

 

内容(「BOOK」データベースより)

1995年、神戸市長田区。震災で両親を失った少女・丹華は、兄妹とともに医師のゼロ先生に助けられる。復興へと歩む町で、少しずつ絆を育む一家を待ち受けていたのは、思いがけない出来事だった―。『楽園のカンヴァス』の著者が、絶望の先にある希望を温かく謳いあげる感動作。 

 

ティッシュ必須のウルウルポイントたくさんな小説。

おもしろくて一気読みだった。

阪神淡路大震災のことを描いているけど、震災がテーマではなく、人間の愛とか勇気といったがテーマ(だと感じた)。

その愛とか勇気を象徴的に表すもの一つが羽。なぜタイトルが「翔ぶ少女」で、なぜ主人公の名前がギリシャ神話の羽を持つ女神「ニケ」なのか。  読んでのお楽しみ♪

 

原田マハさんの文章は温かい。

丹華は、ほんとうのことを言わないように、一生けんめい、自分の心にブレーキをかけていた。それなのに、ゼロ先生に促されて、ふっと心がゆるんだ。
一度こぼれてしまった涙は、そのあと、もう止めることができなかった。
<中略>
あほやなあ、子供のくせに。そんなこと、心配しとったんか。ほんま、あほや」
あほや、あほやと言われて、丹華は、「あほちゃうわ」と言い返した。それでも、そんなふうにゼロ先生に言われたことが、おかしなくらいうれしくて、新しい涙が、またあふれてしまった。

 

 一部引用だと伝わりにくいけど…

この最後の「新しい涙が〜」ってところがたまらなくいい。涙の意味って流してる本人はよくわからないけど、泣いているうちになんか意味が変わってくるっていうのはよくわかる。だからぼくはこの文章に惹かれた。

ここはティッシュ必須。鼻水が…

 

ちなみに涙腺刺激係数最大の場面は、

おばちゃんは、じいっと絵をみつめていたが、あわててメガネを外すと、指先で両目をこすった。

という文章があるシーン。

ここは完全にやられた。文字がぼやけて読めなくなった。 

 

この小説で主人公の面倒を見る医師は心療内科の先生。だから「心」についても真正面から向き合って描いてくれている。

ー なあ、ゆい姉。おっちゃんは、いま、あのおばちゃんの「心」を治そうとしてるん?「心の風邪」って、どうやったら治るん?

由衣は、そっと微笑んで、答えてくれた。

ー 心っていうのは、誰にでも、ひとりにひとつ、あるものやの。目にも見えへんし、触ることもできへん。せやけど、心臓とか、頭とか、手とか足とか、体のいろんなところとおんなじくらい、大切な大切なものやねんよ。

<中略>

心が元気になれば、心が入っている体も元気になる。だから、そうやね、心って、人間の「エンジン」みたいな感じかな。

 

 「心」の大事さをしみじみと感じる文章。このシーンがぼくの一番のお気に入り。

登場人物の看護師 由衣さんに恋心を抱いてしまった。すごい魅力的な女性なんだもん…

 

ティッシュたくさん使ったけど、読後感はとってもいい。

 

泣ける小説って楽しい。

 

 

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とりあえず…

今日は生きるつもり。

 

 

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