【読書感想】小川洋子さん著「ブラフマンの埋葬」(泉鏡花文学賞)タイトルで結末わかってるのに、おもしろくてすごくつらいとは…
1〜2時間で読める短めの小説。
すごくおもしろかったし、読んでよかったと思う。と同時に…
結末がつらいのでもう一度読むのはちょっとカンベン…とも思った。(少なくとも読んだ直後は。そのうち気が変わる可能性大。)
主人公がブラフマンと名付けた小動物。
なんの動物か最後まで明かさず(というか現実にいない。リスあたりが近いイメージかな?)、読者の想像に委ねてるのがおもしろい。
タイトルが「ブラフマンの埋葬」なので、結末もわかってる。これもまたおもしろい。
美しい情景が目に浮かぶ。けど、すごーく残酷な話。
別に残虐とか残忍といった方面ではなく、普通の中にある人間の残酷さ、運命の残酷さを描いてる。
全然美しくない。
違うな。"美しくて残酷な世界"かな?
いや。"美しさの中にある残酷さ"かな?
う〜ん。なんとも言えない。
結末がわかっているのにおもしろくて一気に読ませてくれる。
読み進めるうちにどんどん「これでその結末にいくの? ちょっとそれは… そんな結末やめてくれー」と思う。
そして最後に、覚悟してた以上に感動とダメージを与えてくれる。
音になりきってない「お」と「あ」の間くらいのため息が思わず出る感じ。
たしかに文章は重くないけど、実はけっこう重くない?
小説ならでは、文学ならではの世界を味わえる作品でした。。
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