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【読書感想】「生物はなぜ誕生したのか: 生命の起源と進化の最新科学」まるでSF小説のようなワクワク感!

「生物はなぜ誕生したのか: 生命の起源と進化の最新科学」

ピーター ウォード,ジョゼフ カーシュヴィンク著

 

最近出版された、科学のノンフィクション。Amazonのカテゴリ「生物学」でベストセラー1位になってる。電子書籍は今のところない。 

 

この記事を読んで完全に釣られた(笑)

だってこんなこと書いてあるんだもん…

この本を読むと、よほどの大発見がない限り、向こう10年ほどは、同じような内容の本を読む必要はないはずだ。

honz.jp

 

☆ ☆ ☆

 

すんごくおもしろい!

まるでSF小説のようなワクワク感。 

専門書じゃなくて一般向けに書いてくれてて、章を短く区切ってくれてるから、そんなに読みにくくない。もちろんSF小説ではなくて科学の本だから、スラスラ読めるかと言われればそうでもないという答えになるけど…

 

生命が、地球誕生から現在までどうだった(と予測できる)かを説明してくれている本。

なんせ46億年分の話だから、おなじみの恐竜なんて最後の方にならないと出てこない。人類なんて最後の最後だ。じれったい(苦笑)

子供の頃、アラビア半島の長靴の形を見せられて、「昔大陸は1つだったんだよ」と教わったけど、この本だと途中でやっと大陸が1つに固まる。つまり、パンゲアと呼ばれる一つの大陸が最近の話になってる。

生命にとっては、現在も含めてこれまで10回の大量絶滅があったらしいし、地球全体が凍結したことも2回あったらしいし、北極・南極の移動(真の極移動)もけっこうあったらしいし…

スケール感が違う。

 

生命誕生の話はワクワク感がすごい。火星から来たとは…

こうしたことから、四〇億年あまり前の火星には生命が誕生しており、しかもその生命が隕石に載って地球にやって来たと考える研究者がいる。著者ら二人もそうだ。 

 

生命が地球以外で生きられるかどうかは宗教としてもとっても大事なことらしく、こんなおもしろいことも書いてある。

初期の系外惑星発見者として知られるジェフリー・マーシーは、大発見の一報を受けてすぐにかかってきた電話の中にはバチカンのものもあったと振り返っている。天文学に通じたカトリック教会は、系外惑星が生命を養えるのかどうかを知りたがっていたそうだ。それ如何で、様々な宗教的な意味合いが派生してくるからである。

 

この本は原始的な生物からはじまって進化していく過程が、科学的な根拠によって説明されている。だから「人類は神様がつくった」という想像はちょっとしにくい。「生命は神様がつくった」だとまだ可能性は感じられるけどそれも厳しいかな。

 

トカゲのような生物が動きながら呼吸できないってはじめて知った。だからチョロチョロっと動いては止まるんだ…(汗)

そんな体のつくりで歩いたり走ったりすれば、胴体が波打つように左右にくねることになる。左脚を踏み出すと、胸部の右側と中の肺が圧迫され、右脚を踏み出すと左側に同じことが起きる。

<中略>

だから現代の両生類や爬虫類は走っているあいだに息をすることができないし、古生代の祖先にも同じような不具合があったことはほぼ間違いない。

足が横から出るんじゃなくて下に出るってことは、動きながら呼吸できるようになる。すごい有利ってことですごい進化ってことだ。

 

クジラやペンギンが陸を捨てて海に向かったというのも「へぇ〜」だ。

先にも触れたが、地球の気温が高く(平均気温はたぶん今より約十七℃高かった)、大気中の酸素濃度が今日の半分しかなかったこの時期、海の暮らしへと進化し直した四肢動物はかなりの種類にのぼった。あとにも先にもこれほど多くの系統が陸を捨てて海に向かった時代はない。現代では多くの種類を誇るクジラ、アザラシ、ペンギンは、もともと陸地で暮らしていたが、今や海に対してこの上ない適応を見せている。

 

初期の恐竜がすごく小さかったというのはちょっと残念だけど仕方ない(苦笑)

お馴染みの恐竜絶滅については、ユカタン半島(メキシコのあたり)に落ちた隕石が原因だけど、それが全てではないらしい。

K-T境界絶滅についても同様のことが言える。大型の小惑星が地球にぶつかったのは間違いない。だがそれより数十万年前に、洪水玄武岩によって世界が急速に温暖化し、海が淀んでいたのだ。本章の締め括りには、使い古されたボクシングの喩えがふさわしい。最終的に相手をノックアウトするのは当然ながら一発のパンチである。しかし、試合開始直後の最初の一撃で相手が倒れることはめったにない。それがどんなに強力なパンチであってもだ。ジャブやボディブローを何ラウンドも打ち続けることで、ノックアウトの舞台が整う。同じように、デカントラップが世界を弱らせ、隕石がとどめを刺したのだ。

 

鳥は、思った以上にずっと賢いみたいだ。鳥と暮らしている人は合点がいく話なのかな?

また、恐鳥は頭部が非常に大きく、どんな鳥より大きな脳をもっていた。そう聞くと、あることに思い至って、霊長類としては落ち着かなくなる。アフリカのヨウムの知能に関する最近の研究から、今まで鳥類の知能が大幅に過小評価されてきたことに神経科学者も心理学者も気づき始めた。霊長類学者は、様々な霊長類が高度な認知機能をもっていることを明らかにしようとするが、じつは鳥類全般も、これまで地球に生息した中で最も知的な動物の一つに数えられるのではないだろうか。

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

こんな風におもしろいところが盛りだくさん。

科学は常に新しい発見があって、常に何が正しいかが塗り変わっていく。だから、この本に書かれていることが"正しい"かどうかは誰にもわからない。でも知ってる分には損しないだろうし、動物や自然のドキュメンタリー番組を見たときに、新しい視点を持てて楽しくなると思う。例えばグレートバリアリーフと呼ばれるサンゴを見て、「これが幾多の絶滅の危機を乗り越えた生物なんだな〜」と思ったり、オーストラリアの辺鄙なところの映像を見て「ここらへんで太古の化石がたくさん見つかるんだ〜」とか。

 

ぼくはこの本を読めてよかった。

 

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とりあえず…

今日は生きるつもり。

 

 

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