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あうろーブログ

アウトローにもなれない41歳の男が今日生きるために書きます。思ったこと、たまに妄想しちゃったこと、読んでよかった本、洋楽まとめなど書いてます。アマチュアドラマー

【読書感想】渡辺淳一さん著「遠き落日」金遣い荒いけど愛すべき野口英世の一生を描いた伝記的小説

読書感想

渡辺淳一さん著「遠き落日」

野口英世の一生を描いた伝記的小説。

 

「生物と無生物のあいだ」という本の中に野口英世について書かれてる部分があり、この本も紹介されていた。

おもしろそうだなと思って読んでみた。

 

oulaw.hatenablog.com

 

 

 

おもしろかった。

簡単に言うと、借金魔で努力家。

実績からすると偉人とは言えない。お札に描かれるべきで人ではない。 

彼の学説のうち代表的なものを含めて、結果的に間違ってたから。

でもすごい人だった。

著者の愛情もあってだと思うけど、野口英世に対して悪い感情は全く感じない。

 

あとがきより

だが私が野口に惹かれ、感動したのは、彼の業績や高名さより、一人の人間として精一杯生きた、その激しい生きざまである。野口の生きた足跡をたどるうちに、私は野口にますます愛着を覚え、その強烈な個性を、いまの世に甦らせたいと願うようになった。

 

ただ、借金はヒドい…

 

幼い頃から貧乏で人にたかるのが上手だったみたい。

※「清作」は改名前の野口英世の本名

このころから、清作はすでに人間はどういう点に弱く、どういう頼み方をするときいてくれるかといった、処世術を身につけていた。

小さいときから他人の恩恵を受け、それで生きてこなければならなかった男の身につけた習性といえばそれまでだが、清作の面白いところは、そうした哀願をすることに恥じないところだった。恥じるどころか、むしろ、「俺は優秀なのだからもらうのが当然だ」と開きなおっている。表面こそ哀れっぽい仕草や声を出すが、内心はむしろ相手を軽蔑している。実際それだけの自信があったからこそ、臆面もなく無心をくり返せたともいえる。

 

ハンパないたかりだったみたい。

清作のまわりの者は、大なり小なり、金の面で彼の被害を受けているが、八子父子ほど大きな被害を受けた人はいない。まさに、むしり獲られた、という表現が当っている。
「この人からとれる」と思うと清作は徹底的に引き出した。そこには済まなさより、頭の優秀な者に金が与えられるのは当然だ、という自信に満ちた論理があった。富める者からは奪うべきだ、という階級論理でなく、より優れた者が金をもらうのは当然、という論理であるところが変ったところである。

 

借りたお金をバンバン遊びもに使ってたみたい。

当時、吉原の女は、小店で四十銭といわれたが、一度遊びを知った清作は金さえあれば、通うようになる。
<中略>
相変らず借金を続けたのは、この女遊びのためである。
<中略>
とにかく貯えということの苦手な男だから、一度にお金をもらうと、たちまち消えてしまう。なくなると、またいまにも自殺しかねないような顔で無心にくる。

 

ひどいと言えばひどいけど、普通頭を下げたからって他人様からおいそれとお金を借りれるわけじゃない。たくさん借り続けられたというのはすごい。お金を借りるための才能と、お金を借りてもいいという強い信念のようなものを持っていたようだ。じゃなきゃ周りの人に大金を借りっぱなしで平然と生きてくことなんてできない。

 

大人になって改名して「英世」になってからもヒドいありさま。

とにかく高山歯科医院から順天堂、そして下宿の仲間と、清作を知っている男で、金の無心をされなかったものは一人もいない。

<中略>

清作を知っている者は、すなわち被害者、いいかえると清作はいつも債鬼のなかで暮らしていたともいえる。

長年、乞食をしているとそれが平気になるというが、清作もそれに似た心境であった。どうせ、「破廉恥な金かたり」という汚名を着せられている以上、いまさら借金を返したところで仕方がない。いま、うっかり返しでもしようものなら、それをききつけてみなから取り返される。

 

いや〜ヒドいですね〜。でも、昔も今も何かを成し遂げそうな人でこんな風に借金しまくってる人ってたくさんいるんだと思う。ぼくの身近にはこういう人いない。たかられるほど裕福だったことが一度もないからかもしれない…

 

 

別に借金のことばかりがこの本に書かれているわけではない。たくさん書かれてるのは間違いないけど…

やっぱりすごく努力している。寝ないで研究しまくってるし、必要に応じて数カ国語を勉強してマスターしてる。

そしてただ研究して論文を書くだけじゃなくて、一生懸命広報活動をしている。

 

アメリカに行く舟の中で揺れまくってもへっちゃらで英語の勉強。すごい。

舟は外海に出るとじきに、強い嵐に見舞われ、はじめの三日間は激しく揺れ続けた。
<中略>
この嵐のあいだも、英世は思い出したように、鞄から英文のシェクスピアを取り出して読んでいた。
「そんな古いものを読んでも仕方がないでしょう。アメリカに行くのですから、もっと現代的なものを読んだほうがいいですよ」見かねて小松がいうと、英世は首を振って、
「古くても、シェクスピアは英語の古典です。なにごとも、まず古いものから読んでいくというのが順序です」といって受けつけない。

 

寝ない。これはマネできない。といっても健康のためにはマネしないほうがいいんだろう。ショートスリーパーと言われる睡眠時間が少なくて済む人がうらやましい。

このころ、英世には、いくつかの綽名がつけられていた。その一つは「二十四時間不眠主義者」であり、さらに「細菌と同居者」などというものもある。だが、最も英世をよく表しているのは「人間発電機」という綽名である。はたから見ると、まさに英世は永遠に動き続ける発電機そのものに見えたのである。

 

広報活動(営業、宣伝)でとっても大事なんだな。知ってもらうことって大事なんだな。

このころ、「ドクター・ノグチ」の名は米国社会ではかなり有名で、所長のフレキスナーの名を知らない人はいても、ノグチの名前を知らない人は少なかった。ニューヨークの街を歩いていても、英世を見ると道を除け挨拶する白人がいる。それは老人といわず少年といわずかなりの数になる。小柄で特徴ある外見がいっそう彼等の注目を惹いたともいえる。
これもすべて、英世がことあるごとに記者会見をし、自分の研究成果を学問的事実としてだけでなく、社会的事業として発表していったことにあった。学者の一部には、それに眉を顰める者もいたが、しかしそのおかげで、英世は東洋人としてのハンディキャップを積極的に除いていったともいえる。

 

結局「すごい人」は「すごい努力をしてる人」だった。

「とにかく数をこなす」「とにかく人より早く」ということを一生実践し続けた人だった。

野口英世は背が低く見た目もよくなくて、手(指)が不具だったにもかかわらず、「すごい人」になった。

そういう意味では勇気をもらえる。

才能じゃないんだなと…

 

 

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とりあえず…

今日は生きるつもり。

 

 

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