川上弘美さん著「ざらざら」(短編集)女性の心を描いた女性読者向けの短編集だけど、男のぼくが読んでもおもしろかった
川上弘美さん著「ざらざら」(短編集)
短編集で23のすごく短い作品が収められてる。
読み始めて「どうも女性向けの臭いが強いなあ」と思い、調べてみたら「クウネル」という女性向け雑誌に連載されていた作品がほとんどだった。なるほどね。
ぼくは男だけど。
でもおもしろい。
「笹の葉さらさら」より
「信じられる男がいるんじゃなくて、信じようって女が決めるかどうか、それが問題なのよ」と、協子叔母は言う。
ちょっと味わい方がズレてる気がするけど、最近人気のアドラー心理学っぽい(苦笑)
川上弘美さんは、奥手というか、なにか踏みきれなくてウジウジしてる感じの女性を描いた作品がとってもおもしろい。この本にもそのおもしろさがたくさんつまってる。
一番心に残ったのは「ときどき、きらいで」という作品。
友達と裸エプロンになる話。こう書くとなんのこっちゃ?エロいのか?となってくるけど、全然違う。奥手な感じを描いた不思議な世界。なんか小説というよりも絵とか写真を味わうほうが近いかな。
他にもいくつか女友達の話があって、本当に愛しあう(いわゆるレズ)わけじゃないけど、ただの友達以上みたいな関係が描かれている。たぶん男のぼくには味わいきれてないだろうなあとも思う。もどかしくてちょっとくやしい。
ぼくが女性だったらもっとおもしろいんだろうなあと思う。女性がうらやましい。
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