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【読書感想】小川洋子さん著「いつも彼らはどこかに」ひっそりつつましく生きる人間や言葉を超えた心の通じ合いなどを描いた、美しくて心温まる短編集

小川洋子さん著「いつも彼らはどこかに」

最近(昨年末)文庫化された。電子書籍kindleだけある。

 

動物をキーにした8つの短編集。

 

1. 帯同馬

2. ビーバーの小枝

3. ハモニカ

4. 目隠しされた小鷺(コサギ

5. 愛犬ベネディクト

6. チーター準備中

7. 断食蝸牛(かたつむり)

8. 竜の子幼稚園

 

動物はあくまでキーにしているだけで、テーマではない。

生きている動物ではなく、動物の絵とか置物をキーにしていたりもする。

 

テーマは特に統一されてないとぼくは感じた。

 

ただ!

 

小川洋子ワールド全開!!

 

日の当たらない場所でつつましく生きる人間や、言葉が通じなくてもテレパシーのような"何か"で通じ合う心。そんなことを描いてくれている。

 

"つつましい美しさ"こそ、ぼくが大好きな小川洋子ワールド。

 

そして、そのワールドは森のなかの湖のような感じ。

 

静かできれいで冷たくて、だけど暖かい。 

 

 冷たくて暖かいってなんのこっちゃって話だけど、そうとしか言いようがない。

 

 なんとなく心温まる感じ。すごくじゃなくて"なんとなく"。

 

ぼくは、寝る前に1話ずつ読んでいった。いい感じ。(7. 断食蝸牛だけは、おもしろいけど心温まらない内容なので寝る前じゃないほうがいい)

 

個人的には、2. ビーバーの小枝と、4. 目隠しされた小鷺がお気に入り。

2つとも言葉を超えた人間同士の心の通じ合いを描いていて、それがたまらなく気持ちいい。 

8. 竜の子幼稚園は、ぼくが名作だと思っている短編「薬指の標本」を髣髴とさせる作品。おもしろい。

 

小川洋子ワールド、知ってる方も知らない方もぜひ味わってみてほしい。 

 

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とりあえず…

今日は生きるつもり。

 

 

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